簡にして要の説明ができないのは、十分に理解できていないのは私自身

 

簡にして要の説明ができないのは、十分に理解できていないからだ。

ーーアルベルト・アインシュタイン

カーマイン・ガロ『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(日経BP,2010,187頁)

アインシュタインの簡素性理論 - delphi

 

 

職場の会議である人が発表した際に、その内容について「それってどういう意味ですか?」と質問すると、答えられない。ということがあった。

 

どうして文章に書いてあることについて質問したのに回答できないのか、後から聞いてみると「緊張するからだ」であるとか、「自分ではそういっているつもりだ」とか、「書いてあるからわかっているはずだと思った」などと答える。

 

聞いたほうとしては質問に答えない人にすごく不満が残ったが、その人がどうして回答できないのか考えてみたところ、おそらく自分で書いたことをわかっていないのではないか、と思い当たった。

そんなことがあるのか?と思うかもしれないが、本当にある。その彼(男性です)が会議で発表した文章は、もとはネットに書いてあったものをそのままコピーして発表するという乱暴なものだった。それはあなたの考えじゃなくて、そのもとの文章をネットにアップロードした人の考えじゃないですか?と問いかけると、「いや、私の考えもほぼ同じなため語尾だけ変えました」と言う。よくわからない。わからないが、そのまま放っておいて、別の修正箇所を指摘して翌週に再度発表して貰ったという次第で、その際に「それはなぜそう言えるんですか?根拠はなんでしょうか」と質問したら冒頭の「わかりません」と黙ってしまったという具合だ。つまり、何も考えずにコピーして、よくわからないが「言われるがままに」修正したので、どこにも自分で考えた内容がない。それでは質問に答えられないのは自明なのだ。

最初は彼が何も考えていないのがわからず、何も考えてないない訳がないんだから、理由も答えられるだろうと思って聞いたところ回答がない。それに非常に腹が立ったんだけど、別に腹をたてることでもなんでもなくて、当たり前だった。

 

 これはその彼を責めるような文章になっているけれど、私自身にも当てはまる話で、何も考えずに他の人の書いた文章の言葉尻を捕まえて「それは、そうだ」、「それは違うだろう」などと書くことがある。と言うよりもだいたいそうだ。

 

さて、少しは自分で考えるようにするにはどうしたらいいのか。それをまず考えよう。

そして、彼のことはちょっと保留にしてみる。とても真面目な男で別段悪気があったりさぼろうとしてそうしているわけではないからだ。

 

 

 え?なんでそうなったの?

 上記の文章の最後2段落にかなりの理論の跳躍がみられるなあ。なんで、そいつが何も考えていないからっつって、自分自身もかんがえてないことになるんだ?なんか叩いただけだと、気が咎めて自分もまあそういうことがあるわな、とか付け加えたのか?

いずれにせよ、論理が破綻している。